第22巻 巻頭言(Editor's Message)

 芸術科学会論文誌は、おかげさまで第22巻を発刊することとなりました。 会員ならびに関係者の皆様のご尽力によるものであり、誠に感謝申し上げます。

 2022年10月より、前任の松山先生に代わりまして論文委員長を拝命することとなりました。 大変光栄なことと感じておりますが、同時に半年間でこの役割の難しさも痛感しております。

 芸術科学会は、芸術と科学の融合をテーマの一つとしておりますが、その解釈についてはまさに百人百様です。 論文誌では、そういった融合的領域の学術的な価値を「採録判定」という形で実際に明確にするため、解釈の相違が問題となってしまう可能性をはらんでしまいます。 今回の巻頭言を執筆するにあたって、過去の巻頭言を改めて一読してみましたが、先人の先生方も同様のことをお考えになっており、この問題の難しさを改めて再認識した次第です。

 一方、この22年間での技術の進歩には目覚ましいものがあり、新しい技術が芸術表現に与えた影響の大きさは言うまでもありません。 それは単に表層的な映像表現の拡張というだけの話ではなく、人々のセンスそのものが変革していることの顕現の一種だと考えます。 本論文誌は、そういった芸術やコンテンツによる理念が論文という形式で厳格に記述され、大変重要な価値を持つ論文の宝庫と言えるものです。

今後とも、本論文誌が技術と芸術の両分野の研究者にとって、お互いの価値を認識することができる場を目指していきたいと考えております。 今後とも、何卒ご支援のほどをよろしくお願いいたします。

渡辺 大地
論文委員長


注意: 本論文誌に掲載された論文の著作権は、原則として著者にあります。 複写等の際には著者の許諾が必要となります。ご了承ください。

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Last updated: 2023/3/31